ストップ!!子どもの虐待
虐待とは
虐待かどうかは、子どもの側に立って、子ども自身が苦痛と感じているかどうかで判断されるものです。親がいくら一生懸命でも、子どものためと思っていて、かわいいと思っていても、子どもの側にとって有害であれば虐待です。具体的には次の行為を言います。
身体的虐待
身体に外傷が生じ、又は生じる恐れのある暴行を加えること
- 打ぼく傷、あざ(内出血)、骨折、タバコによるやけど等
- 乳児を激しく揺さぶる
- 戸外に長時間締め出す
性的虐待
ひわいな行為をすること、させること
- 子どもへの淫行、性的行為の強要、性器や性交を見せる
- 児童ポルノの被写体にする
ネグレクト
養育の放棄又は怠慢
- 適切な衣食住の世話をしない
- 乳幼児を家に残したまま度々外出する。車の中に放置する
- 病気なのに医師に見せない
- 家に閉じ込める
- 保護者以外の人による虐待を保護者が放置する
心理的虐待
子どもに対する著しい暴言、拒絶的対応、家庭における配偶者等に対する暴力その他、子どもに著しい心理的外傷を与える言動。
- 無視、拒否的態度、罵る、言葉による脅かし、脅迫
- 兄弟姉妹間での極端な差別扱い
- 子どもの目の前でのドメスティック・バイオレンス(配偶者に対する暴力:DV)
虐待は子どもに深刻な影響を与えます。
発育発達の遅れ等の身体症状や情緒不安定、感情抑制、強い攻撃性等の精神症状が出たり、他人とのコミュニケーションがうまく取れず、いろいろな問題行動を引き起こすこともあります。
つまり家庭という本来一番安心で安全な場に身を置くことなく育つことが、子どもの自尊心の低下を招き、自分を大切にすることが難しくなるからといわれています。
また、脳自体にも悪影響があるとの研究結果もあります。
虐待をする親たちの背景には、子育ての悩み、周囲からの孤立、家庭の不和、親自身が虐待を受けて育ってきたこと、経済的な問題等いろいろなストレスや葛藤があります。そして苦しんでいても助けを求められずにいます。親を非難するだけではなく家族を支援していくことが必要です。
こんな「子ども」と「保護者(親)」が心配
程度や頻度にもよりますが、次のようなことに気付いたら相談機関に連絡・相談してください。
子どもについて
- いつも子どもの泣き声や家の人の怒鳴っている声が聞こえる
- 不自然な外傷(あざ、打ぼく、やけど等)
- 極端な栄養障害や発達の遅れが見られる(低身長・低体重)
- 衣服や身体がいつも汚れている
- 食べ物への異常な執着やいつもおなかをすかせている
- ひどく落ち着きがなく、乱暴、情緒不安定である
- 表情が乏しく活気が無い(無表情)
- 態度がおどおどしており、親や大人の顔色を窺ったり、親を避けようとする
- 家に帰りたがらない
保護者について
- しつけと言って体罰を与える
- 子どもへの態度が冷たく、甘えを拒否する
- 小さい子どもを家に置いたまま、よく外出する
- 子どもの養育に関して無関心である
- 気分の変動が激しく、子どもや他人にかんしゃくを爆発させることが多い
- 子どもの怪我や病気を医者に診せようとしない
- 子どもの怪我について不自然な説明をする
- 地域や親族等と交流がなく、孤立している
子どもを虐待から守るための5か条
- 「おかしい」と感じたら迷わず連絡
通告は義務=権利です - 「しつけのつもり」は言い訳
子どもの立場に立って判断しましょう - ひとりで抱え込まない
あなたにできることから即実行しましょう - 親の立場より子どもの立場
子どもの命を最優先しましょう - 虐待はあなたの周りでも起こりうる
特別なことではありません
あなたの連絡(SOS)を待っています
- 保護者の方へ
- もしあなた自身が「虐待しているかも」「どうしていいか」悩んでいる保護者であるなら相談してください。なぜ子どもの身体やこころを傷つける行為(虐待)をしてしまうのでしょう。子どもへの虐待は子育ての不安やいろいろなストレスから始まることがあります。決して特別なことではありません。(性的な虐待は違います)誰も分かってくれない。注意されそうで相談できない。そう思っていませんか?そんなことはありません。ぜひ相談してみましょう。
- 子どもたちへ
- つらい思いをしている子どもたちは連絡してください。人は誰でも生まれながらに一人の人間として大切に扱ってもらえる権利を持っています。あなたの心や身体を傷つける行為が行われているときはその人以外の周りの大人に相談しましょう。
- 周りの方へ
- 孤立の中での子育てが、虐待の大きな要因になっています。「まあ可愛いね、元気だね」「大丈夫」「分かる分かる」その温かな一言が、子育て中の保護者(親)に自信と安心を与えます。でももし虐待かなと思ったら迷わず連絡をお願いします。子ども虐待に対応している機関は、虐待者を非難批判するのではなく、困っている親や子どもを支援したいと思っています。通告は援助の協力支援のスタートです。ためらう気持ちは分かりますが、親子の人生を変えるチャンスです。