北九州市平和のまちミュージアム
昭和20年8月9日、長崎に投下された原子爆弾は、もともと小倉に落とされる予定でした。目標となったのは、西日本最大級の兵器工場であった小倉陸軍造兵廠。令和4年4月19日に開館した「北九州市平和のまちミュージアム」は、そのような歴史的な場である造兵廠の跡地(現在の勝山公園内)に建設されました。ミュージアムでは、戦争の悲惨さや平和の大切さ、命の尊さについて考えるきっかけとなるよう、子どもの目線に合わせた展示にも取り組んでいます。北九州のまちの歴史や当時の市民の暮らしを通して、子どもと一緒に平和の大切さを学ぶ場所として「北九州市平和のまちミュージアム」を紹介します。
常設展示は、①戦前の北九州 ②戦争と市民の暮らし ③広がる戦争と空襲 ④終戦の混乱と戦後復興 と4つのゾーンに分かれ、戦前の北九州から北九州市が誕生するまでを時系列で見ることができます。
Zone 1 戦前の北九州
明治から昭和のはじめにかけて、それぞれ特徴的な発展を遂げた旧5市の様子を紹介しています。小倉陸軍造兵廠がリアルに再現されたプロジェクションマッピングは必見です。
外国の文化がいち早く入ってきた門司のまち。当時の最先端のおしゃれをしたモダンガールと、門司駅(現 門司港駅)駅舎の前で写真をパチリ!隣の変身コーナーでは、当時の服装を体験することができます。
Zone 2 戦争と市民の暮らし
当時の一般的な家庭の暮らしがわかる再現展示。鉄兜や防空頭巾をかぶる体験もできます。また、当時使われていた教科書やおもちゃなど、子どもたちの生活がわかる実物資料も展示しています。
小倉陸軍造兵廠で製造されていた秘密兵器・風船爆弾の7分の1サイズの模型。風船爆弾の和紙を貼り合わせる作業を、当時14歳くらいの女学生さんたちが行っていました。
Zone 3 広がる戦争と空襲
北九州で最大の被害をもたらした八幡大空襲。そこで使用された焼夷弾の実物大模型など、北九州の空襲にまつわる貴重な資料を展示しています。このほか、赤い文字に触れると、空襲を体験した人の体験談を読める展示もあります。
360度シアター
平和系施設では、日本初となる360度投影型の臨場感あふれるシアターで、昭和20年8月8日の八幡大空襲から、翌9日、原子爆弾を搭載したB29が小倉の上空に飛来した後、長崎に向かった出来事を追体験することができます。(毎時00分、15分、30分)また、現在もなお残る北九州市の戦跡を辿ることができる新コンテンツ「北九州の戦跡 ~忘れてはならない歴史の語り部~」も毎時45分から放映中。
Zone 4 終戦の混乱と戦後復興
終戦後、復興に向け歩みはじめた旧5市。再び発展した北九州地域は、昭和38年に合併し、北九州市が誕生しました。
タブレット上の葉っぱに、ミュージアムを見学した感想や平和への想いなどを書くコーナーです。一人ひとりの想いが「平和の樹」を育てていきます。
平和のまちミュージアムがある小倉は、長崎に投下された原子爆弾の第一目標地であり、「もしも小倉に原爆が落ちていたら、私は生まれていなかったかもしれない…。」という“もしも”を想像できる礎があります。遠くない未来、戦争を知らない世代が戦争を知らない世代に、戦争や平和を伝えていかねばならない時代がきます。ぜひ、平和のまちミュージアムで北九州の歴史を学び、戦争や平和についてご家族で考えてみてください。
【名称】北九州市 平和のまちミュージアム
【住所】北九州市小倉北区城内4番10号
【電話番号】093-592-9300
【FAX】093-592-9305
【開館時間】9時30分〜18時(入館は17時30分まで)
【休館日】月曜日(祝日の場合は火曜日)、年末年始
【入館料】
<個人>
一般 200円 中学生・高校生100円 小学生50円
<団体(有料のお客様30名以上)>
一般 160円 中学生・高校生80円 小学生40円
【webサイト】北九州市 平和のまちミュージアム(外部サイト)
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