児童虐待防止

全国の児童相談所が令和4年度に対応した児童虐待相談の件数は、21万9,170件で過去最多にのぼることが、今年9月にこども家庭庁が公表した速報値から明らかになっています。
これは、「児童虐待かもと思ったら通告する義務」があることが市民に浸透してきたと考えられますが、児童虐待の相談件数が増えていることは事実です。
今回は児童虐待防止の取り組みについて取材しました。
子どもを虐待から守るためには、どのようなことができるでしょうか。一緒に考えてみませんか?

児童虐待の定義

児童虐待の防止などに関する法律で、以下の4種類に分類されています。

身体的虐待

  • 殴る・蹴る・叩く・投げ落とす
  • 激しく揺さぶる
  • 戸外に締めだす
  • あざや火傷など外傷を負わせる
  • 溺れさせる
  • 首を絞める など

性的虐待

  • 子どもへの性的行為(そそのかしを含む)
  • 性的行為を見せる
  • ポルノグラフィの被写体とする など

ネグレクト(保護の怠慢・拒否)

  • 衣食住の世話をしない
  • 重大な病気になっても病院へ連れて行かない
  • 乳幼児を家や車に放置する
  • 子どもの意思に反して学校に登校させない
  • 保護者以外の人による虐待を放置する
  • ひどく不衛生にする など

心理的虐待

  • 言葉による脅し・脅迫
  • 拒否的な態度や無視
  • きょうだい間で差別的な扱い
  • 自尊心を傷つける言動
  • 子どもの目の前で配偶者や家族に暴力や暴言を行う(面前DV) など
子どもへの体罰は法律で禁止されています。また、令和4年12月の民法の一部改正により親権者の懲戒権が削除され、体罰その他の子どもの心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動を禁止することが定められました。
この背景の一つには「しつけ」を口実に行われる体罰がエスカレートし、深刻な虐待を引き起こす事例が発生したことがあります。
「しつけ」とは、子どもの人格や才能等を伸ばし、社会で自立した生活を送れるよう、子どもをサポートして社会性を育む行為です。たとえしつけのためだと親が思っても、身体に何らかの苦痛を引き起こし、又は不快感を意図的にもたらす行為は、どんな軽いものであっても体罰に該当します。

体罰などによらない子育てのために

体罰などをしてしまう背景

  • 子どもの年齢や特性等(いつまでも泣き止まない、何度言っても言うことを聞かない、年齢に応じた発達や行動が見られない等)
  • 保護者の心配事や負担感、孤独感等
  • 保護者のこれまでの体験や周囲の言動等

工夫できること

  • ストレスや、否定的な感情に気付き、認め、原因を振り返りましょう。
  • 深呼吸したり、ゆっくり5秒数えたり、窓を開けて風に当たったりして気持ちを落ち着かせ、気分転換しましょう。
  • 時には保護者自身が休むことも大切です。少しでもストレス解消につながりそうな自分なりの工夫を見つけましょう。
  • 上手くいかない時は、周囲の力を借りると解決することもあります。勇気をもってSOSを出しましょう。
子育ては、喜び、楽しさが得られる一方、不安や負担を感じることも多いもの。
北九州市には様々な子育てをサポートするサービスがあります。サービスを利用することで、子育てが少し楽になるかもしれません。

子育てマップ北九州 行政サービス一覧

また、少しでも不安や負担を感じることがあれば、まずは、お住まいの区の子育て世代包括支援センターにご連絡ください。

サービスの一例

  • 産前産後子育て支援ヘルパー派遣事業
    日中、家族等から家事や育児の援助が受けられない家庭にヘルパーを派遣し、家事及び育児を援助します。
  • 産後ケア事業
    産後の体調または育児に不安があるお母さんと子どもを対象に、助産師等が宿泊や日帰りでの通所、ご自宅を訪問し、サポートを行っています。
  • 子どもショートステイ
    疾病、出産、冠婚葬祭、事故、出張などのために、保護者による児童の養育が一時的に困難となった場合に、その児童を児童養護施設又は乳児院において短期的に(7日間以内)に養育する制度です。
  • 一時保育
    保護者の育児に伴う心理的、肉体的負担の解消を目的に週3日を限度に育児リフレッシュ保育サービスを行っています。

児童虐待防止のための周知啓発

こども家庭庁は、11月を「オレンジリボン・児童虐待防止推進キャンペーン」と位置づけ、児童虐待問題に対する社会的関心の喚起を図るため、その期間中、集中的な広報・啓発活動を実施することとしています。
北九州市では、「北九州市子どもを虐待から守る条例」(議員提案により制定。平成31年4月施行。)において、毎年11月を「児童虐待防止推進月間」と定め、市民講座の開催や各所での様々な周知・啓発を行なっています。

  • 画像1
  • 画像2
小倉駅周辺のオレンジカラーのライトアップ
 
  • 画像3
    門司区ではマスコットキャラクターの“じーも”も啓発活動
  • 画像4
    市立中央図書館・子ども図書館での啓発展示
 

画像5
こども家庭庁「オレンジリボン・児童虐待防止推進キャンペーン」ポスター
 

子ども虐待の相談・連絡先

画像6
 

比較的軽度な虐待行為(手足の傷やあざ、ネグレクトの疑いなど)

区役所 保健福祉課 子ども・家庭相談コーナー
受付時間:8時30分~17時(土日・祝日・年末年始を除く)
門司区:093-332-0115
小倉北区:093-563-0115
小倉南区:093-951-0115
岩松区:093-771-0115
八幡東区:093-661-0115
八幡西区:093-642-0115
戸畑区:093-881-0115

一時保護が検討される重篤な虐待行為(頭部の外傷や性的虐待の疑いなど)

子ども総合センター(北九州市児童相談所)
受付時間:8時30分~17時15分(土日・祝日・年末年始を除く)
電話番号:093-881-4556

子どもに関する相談に24時間365日対応します。

24時間子ども相談ホットライン
電話番号:093-881-4152

困りごとや悩みを抱える子どもや、子育てに対する不安を抱える保護者の相談を受け付けています。

親子のための相談LINE
受付時間:10時~20時(年末年始は除く)
親子のための相談LINE(北九州市サイト)
 

北九州市からのメッセージ

「通告は支援の出発点です」子どもを虐待から守るためには、情報提供(通告)がとても重要です。あなたの勇気が親子を救います。「虐待かな…?」虐待かどうか分からなくても少しでも疑いがあると思われたら、匿名でかまいません。ためらわずにご連絡ください。あなたが気づき、連絡(通告)することが、子どもを虐待から守ることにつながります。そして子育てに不安を感じている保護者の支援にもつながります。みんなで子どもの命と育ちを守っていきましょう。

「北九州市子どもを虐待から守る条例」について(北九州市サイト)「北九州市子どもを虐待から守る条例」に基づく年次報告(北九州市サイト)子どもを虐待から守るためのハンドブック(北九州市サイト)11月は児童虐待防止推進月間です。(北九州市サイト)

子育て応援情報