里親制度

今回の「子育て知っ得」は「里親制度」をご紹介。里親とは親の病気、家出、離婚、そのほかいろいろな事情により家庭で暮らせない子どもたちを、自分の家庭に迎え入れ、温かい愛情で親御さんに変わって養育する人のことをいいます。

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取材に伺った里親ご夫婦は結婚して6年目。不妊治療をしていましたが、そのうちに養子縁組を考えるように。そんな折、北九州市の里親制度の取り組みのことを知り、話を聞くうちに「里子さんを育てるのもいいかな」と思い始めたのが里親になったきっかけだったそうです。

2年ほど前に、2歳半の男の子を3か月限定で預かったのが、初めての里子さん。ちょうどその頃ご主人の出張が重なり、 1か月ほどいきなり一人に。初めての子育ては「食べ物の好き嫌いもわからない」、「保育園に行きたがらない」、「なんでもイヤイヤ…」かなり大変だったとのこと。最初は笑顔も少なく、いつも一人遊びをしていた男の子。でも時々遊びに来てくれる姪二人がよく面倒をみてくれ、一緒に遊んでくれたり、近くに住む家族のサポートも大きな力に…。3か月が過ぎる頃には「ママ写真撮って」と話しかけてくれたり、甘えてきてくれたり。その様子を見たとき「自分にも子育てができるのでは」と喜びを感じ自信に繋がったそう。男の子が戻った後、姉妹の里親に2年。当時5歳だったお姉ちゃんは、癇癪を出したり子ども同士では遊んでいても懐かない。妹はママを思い出しママの元へ帰りたがる。初めの1〜2か月は、大人も子どもも大変でしたが、そんな姉妹も、今ではすっかり馴染んでくれ、毎日楽しそうに学校や幼稚園へ。ご主人がお休みの日はキャンプに行ったり、普通の家族と全く変わらない生活をしています。

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姉妹はお絵かきが大好き、飾られた絵には里親さんと仲良く遊びにいった時の絵が飾られ、姉妹が里親さんに心を開いている様子が伝わってきます。

子育てはいろいろ大変なこともあるけれど、目の前のことを1つずつクリアしながら、預かっている子どもたちにたくさん愛情を注いで育てたいと里親さん。

18歳になったら養育制度が切れてしまうが、本当の家族のように育ててくれた里親のもとへ、里帰りのように顔を見せてくれる子もたくさんいると長く里親さんをしている方に伺ったので、そんな風になれたらいいな、と思っていると笑顔でお話ししてくれました。

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家族で自転車やボール遊びを楽しんだり、子ども部屋には、おもちゃや本もたくさん。

様々な理由で、家族と離れて暮らす子どもたちは市内に約400人

「数日~1週間程度の短い期間ならできるかも」「小学生の実子がいるけど、里子を受け入れられるのかな」など、里親としての希望や家庭の状況はさまざまです。そういった方でも無理なくできる、いろいろな里親のかたちがあります。

養育里親
家族と暮らせない子どもを一定期間、自分の家庭に迎え入れて養育する里親。
養子縁組里親
養子縁組によって養親となることを希望する里親。

里親として必要な知識は、子育てを経験していなくても登録前の研修で身につけられます。子どもを迎え入れた後の子育ての悩みや困りごと等には、児童相談所にいつでも相談できるほか、児童養護施設や乳児院に配置された里親支援専門相談員による専門的な援助も受けられます。
 
また、里親会では里親同士が集まって悩みを語り合う場や、養育技術の向上のための研修会が開催されています。
 

子どもに安心感と健やかな育ちをもたらす里親制度。もっと多くの方に知っていただき、温かく迎えてくれる家庭が増えていくと嬉しいですね。

里親さんからのメッセージ

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わが家にはこれまで0〜5歳の小さな子たちがやってきました。来てすぐに私達を「パパ、ママ」と呼ぶのでビックリ。
「一緒に住んでもいいよ」とお許しをもらったようで嬉しくなります。
実親さんは愛情深い方ばかりです。もし自分も同じように育てられなくなった時、誰かが支えてくれたら本当にありがたいなと思います。
里親さんが増えることで親にも子どもにも優しい社会になると嬉しいです。

10月は「里親月間」
里親になるために特別な資格や経験は必要ありません。
里親になった時は、養育に必要な経費の支援、一時的に養育できなかったり休憩したくなった時の預かり、養育に困ったときの相談など、多くのサポート体制が整っています。「自分にもできるかも・・」という方はぜひ、お気軽にお問合せください。
【里親に関するお問い合わせ】
北九州市子ども家庭局子ども総合センター
電話番号:093-881-4556
里親制度/北九州市子ども家庭局子ども総合センター(北九州市サイト)

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